三菱UFJ銀行が日銀に預けている当座預金の一部にマイナス金利が適用

三菱UFJ銀行が日銀に預けている当座預金の一部にマイナス金利が適用されるのだそうです。

これは2016年の制度導入当初を除き、大手行に適用されるのはほぼ6年ぶりとなり、銀行業績への直接の影響を和らげるため適用範囲が絞られてきたのですが、超低金利環境の長期化で行き場を失ったマネーが預金に積み上がり、さらに新型コロナウイルス禍で支給された給付金などが拍車をかけたようで、このままマイナス金利が続けば、手数料の徴収など預金者が負担を迫られる可能性もありそう。

日銀が17日に発表した統計によれば、21年12月の大手行のマイナス金利適用残高は2730億円だったようで、日銀が16年2月に導入したマイナス金利政策は、銀行が日銀にあずけている当座預金の一部にマイナス0.1%の金利を課すことで、それまで銀行は当座預金に預けているだけで一定の金利収入を得られていたのですが、マイナス金利によって資金を投融資に振り向けさせたり、為替相場での円高をおさえたりするのが狙いでした。

当座預金は、以下の3つに分かれていて、

  1. 0.1%の金利がつく基礎残高
  2. 法律で義務付けられた所要準備額と貸出増加支援などの制度を使って日銀から借り入れた金額などで構成するゼロ金利のマクロ加算残高
  3. マイナス0.1%を適用する政策金利残高

「1」と「2」を上回る当座預金残高に「3」のマイナス金利が適用される仕組みとなっており、今回、三菱UFJ銀行は、21年12月中旬から22年1月中旬までの当座預金がこの条件に触れたようで、すでに地方銀行や信託銀行、ゆうちょ銀行などにはマイナス金利が課されているのですが、三菱UFJ銀を含む3メガバンクは市場運用や海外での大口融資に資金を回すことで当座預金に資金を積まず、マイナス金利の適用を回避してきていました。

ここにきて三菱UFJ銀がマイナス金利の適用条件に触れたのは、長引く低金利に加え、コロナ禍の影響を背景に想定以上のペースで預金が積み上がったためのようで、全国銀行協会によれば、大手5行の預金残高は21年12月時点で前年同月比3.4%増の427兆円と、貸出金の増減(1.3%減)を大きく上回る預金が流入しているようです。

経済の先行き不透明感から消費が抑制される一方、政府による一律の給付金などで預金が膨張し、貯蓄から投資の流れも勢いづかず、大量のマネーが預金に滞留したことでメガバンクですらマイナス金利を避けきれなくなった。

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