会社が成長していくためには、これから進んでいく方向性を示すことが大切で、それが企業ビジョン、経営目標と呼ばれるもので、会社によっては経営理念であったりします。

売上高10億を目指す、社会に貢献するサービスを提供するなど様々な目標がありますが、ただこの目標を明文化するだけでは不十分で、その目標に向かって「どのような手法が必要なのか」「どのような行動計画が必要になるのか」を突き詰め、実行していくことが不可欠で、これが「経営戦略」となります。

しかし、この「経営戦略」を考えただけではまだまだ不十分で、この「経営戦略」を実行していく具体的な行動目標がなければうまくいきませんから、その行動目標として経営計画を立てることになります。

つまり会社の経営においては、「経営目標」のための「経営戦略」があり、それを実行するための「経営計画」を立てることにより、社員全員が組織的に、かつ合理的な行動が取れるようになります。

経営計画については、一般的には長期・中期・短期計画と対象となる期間によって分け、長期であれば5〜10年、中期で3〜5年、短期は半年から1年で区切られます。

つまり、会社経営においては、これらの経営計画を全社員が共有し、部門別で調整を行いながら、着実に実行していくことが大切です。

企業分析と環境分析

経営計画の立案では、まず会社の姿を知ること、つまり「企業分析」から始まり、今現在、会社がどのような立場に置かれているかを把握するための「環境分析」が重要です。

人それぞれに個性があるように、会社にも個性があり、その個性を抽出するのが「企業分析」であり、ここではこれまでの成長過程を振り返り、会社の強みと弱みを把握していきます。

ここで会社の個性を形成していくのが、創業者の設立時の理念や経営方針であり、この部分が会社成長の原動力であり、この原動力を探ることが企業分析の第一ステップとなり、次に具体的な企業の能力を分析し、ヒト、モノ、カネ、情報などの経営資源における強みと弱みを抽出していきます。

この企業分析では、おもに会社の内部にフォーカスした分析を行うことになります。

しかし、経営活動においては内部の事情だけでなく、会社を取り巻く外部環境を考えないわけにはいきません。

目まぐるしく変化していく経営環境では、いかに先取りしていくのかが成長の原動力となりますから、このような会社を取り巻く外部要因を把握していくことが「環境分析」であり、この環境分析には「一般環境分析」と「競合環境分析」の２つがあります。

環境分析

「一般環境分析」では、国の規制やその状況、産業の景気動向や為替レート、原材料の値動きなど大きな社会の動きを分析し、「競合環境分析」では、同業他社の営業エリアや新商品の開発動向などを分析します。

いずれにおいても「強み」と「弱み」を把握し、強みであれば活用方法などを、弱みであれば、それを克服するための観点から経営計画を立案していきます。