中央銀行デジタル通貨の行方

国際決済銀行(BIS)が66の中央銀行を対象にした年次調査報告を発表し、それによれば、66の中央銀行のうち80%の銀行は何らかの形でCBDCに取り組んでいて、そのうち40%近くは既に実験や概念実証の段階に進んでいるのだそうです。

国際決済銀行というのは、英語でBank for International Settlements、BISと略され、1930年に設立された中央銀行をメンバーとする組織で、スイスのバーゼルに本部があり、ドイツの第1次大戦賠償支払に関する事務を取り扱っていたことが行名の由来となっており、当初から中央銀行間の協力促進のための場を提供していたり、中央銀行からの預金の受入れ等の銀行業務も行っています。

さて先ほどの何らかの形でCBDCに取り組んでいる66行のうち、先進国の中央銀行は21行、新興国は45行となっており、これら調査対象の中央銀行は世界の人口の75%、世界の経済生産の90%をカバーしているのだそうですよ。

中央銀行の約70%はCBDCを近い将来に発行する可能性は低いと述べているようですが、残りの30%は何からの形でデジタル通貨を発行する積極的なプランがあるようで、そのうち約10%はすでにパイロットプロジェクトを開発中となっているのだそうです。

CBDCといえば、世界の中でも中国が本腰を入れていて、いわゆる「デジタル人民元」を開発していることで知られていますよね。

これが本格的に実現すれば、世界経済の基本インフラと標準をついに中国がアメリカから奪取する可能性があり、中国が世界を支配することにも繋がりそうですね。

仮想通貨・暗号資産、ブロックチェーンにまつわる最大の話題になると思われたフェイスブックの「リブラ」が、各国政府と規制当局からの大きな反発によって現在停滞する中、話題の中心は一気に中国の「デジタル人民元」へと移り変わってきましたし、主要国のなかで一番乗りで独自のデジタル通貨を発行する可能性が高いですよね。

現在、世界で多く使われている通貨はアメリカドルで、国際決済に占める割合は約40%に上るとも言われていて、その中で中国の人民元はたったの2%となっています。

とはいえ、現在の中国は、どこにいっても現金いらずで買い物が出来るようになっているのだそうで、世界に先駆け、デジタル通貨を導入しやすい環境にあります。

米中貿易戦争でアメリカとつばぜり合いを続けている中国ではありますが、デジタル決済分野でアメリカが出遅れていることを考えると、中国が世界を制覇する日を近づいているのかもしれませんね。

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