貿易赤字、過去最大の2.8兆円

財務省が発表した8月の貿易統計速報によれば、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は2兆8173億円の赤字となり、この数字は2014年1月を上回り過去最大の赤字となったようで、資源高や円安で輸入額が前年同月比49.9%増の10兆8792億円となり、19カ月連続で前年同月を上回っています。

エネルギー価格の高騰や円安の影響で、輸入額が3か月連続で10兆円を超えて10兆8792億円と過去最高となったことが主な要因のようで、この赤字は13か月連続となり、東日本大震災の後、32か月連続で赤字が続いた2015年2月以来の長さとなるようです。

見通しについても、資源高と円安により貿易赤字は今後も続く公算が大きく、鈴木俊一財務相が急激な円安が継続するなら「市場であらゆる手段を排除することなしにやるべきことをやる」と強調しており、為替介入もあり得るような状況となっていますね。

止まらない円安

歴史的なインフレを抑え込むため、大幅な利上げで金融引き締めを行う米国と、新型コロナウイルス禍からの景気回復を下支えするため日銀が大規模金融緩和を続ける日本との金利差が拡大し、しばらくは両国の政策スタンスが変わらないとの見方が市場で広がっていて、円を売って高金利で運用に有利なドルを買う動きが活発になり、急速な円安につながっています。

日銀がいまの大規模な金融緩和策を修正して欧米と方向性をそろえれば円安に歯止めがかかる可能性があるとはいえ、黒田総裁は賃金の上昇を伴う形で2%の物価安定目標を実現するためいまの大規模な金融緩和を続けるという考え方を変えていませんが、エネルギーや食料品などの価格上昇の要因ともなっており「悪い円安」という指摘もあるなか、政府・日銀が今後どう対応するのかに市場は注目ですね。

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