4月の銀行融資枠

企業が一定の範囲内で銀行から融資を引き出せるコミットメントライン(融資枠)の設定が一段と増えているのだそうで、日銀が発表した4月の契約額は前年同月比20%増の42兆1400億円となり、その伸び率は2002年12月以来、約17年半ぶりの大きさとなったようですね。

コミットメントラインというのは、「銀行融資枠」とも呼ばれていて、銀行と企業などの顧客が予め設定した期間・融資枠の範囲内で、顧客の請求に基づき、銀行が融資することを約束する契約のことで、安定的な経常運転資金枠の確保や、マーケット環境の不測事態への対応手段の確保などを目的に利用され、契約期間中、顧客は融資枠内であれば、いつでも審査なしで融資を受けることができます。

この契約額、2月に13%増、3月は14%増だったのですが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言により経済活動が制約を受けた4月に大きく伸び、4月は融資枠利用額も38%増の8兆2093億円となり、その伸び率は17年7月以来、約3年ぶりの大きさだったようで、セイコーエプソンはみずほ銀行などとの間で約800億円のコミットメントラインを新たに設定するのだそうです。

ANAホールディングス(HD)は従来の枠から3500億円積み増して5000億円にしたのだそうで、オリエンタルランド(OLC)もみずほ銀行などとの間で2000億円のコミットメントラインを設定したのだとか。

旅行業やエンターテイメント業などは、人の動きが如実に影響する業界ですから、いまから足元の手元資金は潤沢だとはいえ、コロナ後も需要の戻りが遅くなることは確実ですから、その影響が長期化することに備えておくのでしょうね。

しかし、コミットメントラインというのは、無条件でいつでも借りれるものではなく、金利とは別に手数料も必要となってきます。

また、気を付けておかなければならないのは経営が悪化した場合、財務的な条件をクリアできず、コミットメントラインの契約を更新できないということもあり、コミットメントラインからの融資を頼りに経営するのは考えものです。

とはいえ、コミットメントラインは厳しい条件をクリアした企業でしか利用することもできませんので、ステータスになるということでもあったりするんですけどね。

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