企業の短期借入金11.9%増

財務省発表の1~3月期の法人企業統計の速報によれば、金融・保険業以外の産業の短期借入金が前年同期に比べ11.9%増え、166兆6019億円となったのだそうです。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け当面の運転資金を確保する動きが広がっているようで、現預金も1.3%増え、業績悪化に備え企業は手元流動性を厚くしているようですよ。

短期借入金の伸び率はリーマン・ショック直後の2009年1~3月期以来の大きさとなったようで、コロナウイルスの影響により上高が急減したとしても従業員の給与などの毎月のランニングコストがとまるわけではありませんから、コロナ対策として企業の資金繰り支援の拡充にともない、企業が資金を借りやすくなったことも影響しているようです。

全産業の売上高は、前年同期比3.5%減の359兆5572億円で、3四半期連続のマイナスとなり、経常利益は32.0%減の15兆1360億円。

これは4四半期連続で前の年の水準を下回り、下げ幅は09年7~9月期以来の大きさとなった模様。

反面、ソフトウエアを含む設備投資は4.3%増の16兆3525億円となり、その増加は2四半期ぶりで、電気業や運輸業で大型投資があったことが全体を押し上げたようで、財務省は「設備投資は長期的な判断も必要で、足元の景気だけを反映するわけではない」と説明しています。

今回の調査はコロナの影響で会計処理が遅れた企業が多く、回答率は通常時より10ポイント程度低い61.4%(金融・保険業除く)だったそうで、これは財務省によれば1995年以降で最低の水準だということで、特に資本金1000万円以上1億円未満の中小企業の回答率が50%台と低いのだとか。

とかくコロナの影響によって苦境にある中小企業の業績を把握するのは難しく、完全には反映できていない可能性があるのだそうで、このため財務省は1~3月期調査の公表を2段階に分け、7月末をメドに確報値を発表するとしています。

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