メタジェンセラピューティクス、総額17億円でシリーズA資金調達

腸内細菌研究に基づいた医療・創薬を推進するメタジェンセラピューティクスが、スパークス・アセット・マネジメント株式会社、日本ベンチャーキャピタル株式会社、みずほキャピタル株式会社、SMBCベンチャーキャピタル株式会社を引受先とした第三者割当増資により、シリーズAセカンドクローズにて総額6億円の資金調達を実施し、シリーズA総額で17億円の資金調達を完了。

これまでに13.3億円の資金調達を実施しており、この度の調達により累計調達額は19.3億円になります。

資金調達の背景と目的

近年、腸内細菌に関する研究の進展とともに、腸内細菌を「医療」において活用する動きが広がっており、諸外国では「腸内細菌叢移植」が治療として実施され、2023年4月には、世界初となる便由来経口製剤が米国FDAにより承認されるなど、マイクロバイオーム創薬研究が活発に行われています。

今回の資金調達により、メタジェンセラピューティクスは腸内細菌叢移植の社会実装へ向けた「腸内細菌叢バンクの構築・運用」や「腸内細菌創薬プログラムの研究開発」を加速し、日本において、腸内細菌叢を必要とする患者さんと、腸内細菌叢を提供するドナーをつなぐ「腸内細菌叢バンク」を構築することで、FMTの社会実装を支援、推進するとともに、国際競争力のある日本発のマイクロバイオーム医薬品の開発を目指しています。

調達資金の使途

1. 腸内細菌叢バンクの構築・運用

  • 腸内細菌ドナー候補の登録システムの構築
  • 医療機関と連携した腸内細菌叢バンクの運営(ドナー募集・ウェブ問診、ドナー適格性評価、献便受領・腸内細菌叢溶液の製造・検査・保存、医療機関への提供)
  • 腸内細菌叢溶液調整・品質管理のためのプロセス構築

2. 免疫チェックポイント阻害剤関連共同研究などFMT臨床応用に向けた基礎・臨床研究の推進

3. 生菌製剤を含む腸内細菌創薬プログラムの研究開発

マイクロバイオームとは

マイクロバイオームは、腸内や皮膚・口腔などヒトの体のいたるところに存在する細菌全体を意味します。特に、ヒトの腸内には約40兆個に上るといわれており、ヒトの健康に大きな影響力を持っていることが近年明らかになってきています。

腸内細菌叢移植(FMT)とは

腸内細菌叢移植(FMT)は、健康な人の便に含まれている腸内細菌叢を、疾患を持つ患者さんの腸に大腸内視鏡を用いて移植し、腸内マイクロバイオームの異常(ディスバイオーシス)を改善する医療技術です。順天堂大学では2014年の臨床研究開始以来、200名以上の潰瘍性大腸炎の患者さんに対するFMTの実績を積み重ね、研究成果を複数の海外トップジャーナルに発表しています。

腸内細菌叢バンクとは

腸内細菌叢バンクとは、便を提供いただける「腸内細菌ドナー」を募集、スクリーニングし、「腸内細菌叢移植」を行う際に患者さんに移植する腸内細菌叢溶液を調製し、医療機関に届ける仕組みです。腸内細菌叢バンクは、腸内細菌を用いた医薬品の研究開発の基盤ともなります。

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