5月の倒産件数・負債総額は低水準

帝国データバンク発表の5月の全国企業倒産集計をによれば、倒産件数は前年同月比55.6%減の288件、比較可能な2000年以降で最少となり、9カ月ぶりの前年同月比マイナスに転じたのだそうで、さらに負債総額は同27.6%減の711億3,100万円で、3カ月ぶりの前年同月比マイナスとなったのだとか。

通常であれば、いい傾向だとも言えるのかもしれませんが、この数値については新型コロナウイルスの感染拡大で、破産などの法的手続きを担う裁判所が業務を縮小したことに加え、政府が緊急経済対策で打ち出した資金繰り支援策や手形の不渡り猶予が倒産を抑制したと分析されており、手放しで喜べるような数字ではありません。

負債のトップとなったのは、東証1部上場のアパレルメーカーであるレナウン(東京都、民事再生)で約138億7,900万円の負債となり、上場企業の倒産が発生したのは、2019年1月以来1年4カ月ぶりとなるようです。

レナウンといえば1902年創業の老舗企業で、1980〜90年代は業界でも世界最大規模の売上を誇るアパレルメーカーだったのですけどね。

ちなみに上場アパレルメーカーの破綻に限れば、2009年に自己破産した小杉産業(東証2部、現コスギ)以来11年ぶりなのだそうで、この後レナウンは整理銘柄入りし、6月16日に東証1部上場が廃止となるようです。

しかし、アパレル業界においては、今後も厳しい経営が続きそうで、百貨店アパレルの間では「23区」や「自由区」を運営するオンワードホールディングスが2020年度に約700店舗を閉鎖、ECへのシフトを加速する方針を表明していて、「ポールスチュアート」などを展開する三陽商会も2020年度中に最大150の不採算売り場を撤退する予定となっています。

かつてはブランド好きな日本人として、とかくファッションにお金をかける人々が多かったのですが、貧富の差の拡大やブランド名ではなく、費用対効果を見極めていくような人々が増えてきて、ブランド力というものがこのご時世に合わなくなってきているのかもしれませんね。

いまや「安かろう、悪かろう」ではなく、安くていいモノが手に入るようなじだいですからね。

是非フォローしてください

最新の情報をお伝えします