今年度のIR優良企業

日本IR協議会が2021年度のIR(投資家向け広報)優良企業14社を発表し、大賞にはJ・フロントリテイリングと三井物産が選ばれました。

新型コロナが長期化するなか、ネガティブ情報でも積極開示する姿勢を崩さなかったことや社外取締役も含め経営陣が投資家との対話の機会を重視している点が評価されたようです。

これは日本IR協議会の会員のうち、応募のあった293社を対象に審査した結果なのですが、Jフロントはコロナ禍で集客状況が想定を下回るとみて、第1四半期時点で通期業績予想を下方修正するなど投資家目線に立った情報発信への評価が高く、三井物産は株主還元をはじめ具体的な資金配分の考え方を投資家と共有しているとの声が多かったようで、同協議会の佐藤淑子専務理事は「コロナ禍が2年目に入り、リアルとバーチャルでの発信をいかに組み合わせるかで企業の独自色が出た」と分析しています。

優良企業賞は6社が受賞し、初受賞となった安川電機はバーチャル工場見学などオンラインでの情報発信を強化し、同じく優良企業賞初受賞となった島津製作所はオンラインでの説明会に加え、事業部門のトップによるIRミーティングを開催していました。

投資家との対話をもとにした市場の関心の高いデータなど、紋切り型ではない情報開示への注目も高く、技術者派遣のテクノプロ・ホールディングスは、エンジニアがどの程度稼働しているかなどを月ごとに開示する姿勢が評価され、東京エレクトロンは説明会などを2言語で発信し海外投資家への目配りが好感されています。

取り組みのユニークさやIRのレベルが足元で向上している企業を対象とした特別賞には、サトーホールディングス、LIXIL、ワコールホールディングスが選ばれ、新興企業や中堅・中小企業が対象となる奨励賞にはアステリア、昭和電線ホールディングス、ビジョンの3社が選ばれています。

「サステナビリティー(持続可能性)に貢献するIR活動」で積極的な企業を、応募企業の投票で決める共感賞には東急建設やエーザイなど17社が選ばれ、投資家からの評価軸でも、コロナ禍前からの課題だった働き方改革への取り組みをはじめサステナビリティーへの関心が高まっているのだそうです。

今回の選考過程位おいては、IRの発信姿勢では高評価を得たものの、新興国での児童労働など人権問題への姿勢が不透明なため選外となった企業もあ利、佐藤専務理事は「企業の継続性にとって中長期的なリスクに投資家は敏感になっている」と指摘しています。

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