Singular Perturbations、シードラウンドで総額1億円の資金調達

犯罪予測システムを開発・提供する株式会社Singular Perturbationsが、B Dash Ventures株式会社を引受先とする第三者割当増資、ならびに金融機関によるデット・ファイナンスを通して、シードラウンドで総額1億円の資金調達。


犯罪予測システム「CRIME NABI」はいつ・どこで未来の犯罪が起きるかを予測するシステムで、下記は東京都の軽犯罪情報から過去データを集め、その翌日の予測を行ったデモンストレーション図です。

黒い矢印は実際に翌日発生した犯罪をリプロットしたもので、予測データとほぼ一致する形で犯罪が起きている点が確認できます。

犯罪予測に基づき犯罪が起こりやすい場所を重点的に警備する方が、警備効果が高いことが期待されます。

CRIME NABIは過去の犯罪発生情報や人口統計、土地利用データ、天気などのデータに基づき、2種類の独自アルゴリズムをもとに犯罪予測を行い、さらに、犯罪が発生しやすいと予測された場所を重点的に警備するルートを策定します。

CRIME NABI

1. 時間情報による予測

犯罪者は一度犯行に成功すると同じ手口を繰り返します。犯罪の時間的なパターンを記述できるモデルに対して理論物理の定式化を適用することで、データ件数が少ない犯罪についても安定した計算が可能に。高精度な予測を達成しています。

2. 空間情報による予測

犯罪発生や人口密度などのさまざまな空間パターンの足しあわせで、予測したい犯罪種別を記述できるようモデル化されており、このようなアルゴリズムは、通常大きなサイズのデータをinputに入れ、さらに時空間のメッシュ数分だけunknown parameterを決める必要があるため、非常に計算コストが高いことがネックとなります。Singular Perturbationsではデータを事前圧縮する独自の数理アルゴリズムにより、従来手法と比較し圧倒的な計算時間の高速化を達成しました。

「Patrol Community」は「CRIME NABI」をbackendにして最適な警備経路を策定することのできるモバイル・ウェブアプリケーションです。さらに電子日報と業務データの管理ツールをクラウドサービスとして提供するためデータドリブンな警備・防犯活動をサポートします。

Singular Perturbationsは「世界の悲しい経験を減らす」というビジョンのもとに、「コンピューターサイエンスがもたらす知能で安全に関わる全ての人の能力を最大化する」をミッションとして、世界の犯罪を減らすためのソリューション開発に取り組んでいます。

これまでNICT委託研究で開発された高精度・高速な独自手法を含む犯罪予測アルゴリズムをもとに、犯罪予測システム「CRIME NABI」を開発。

その予測結果を元に犯罪減少を意図した警備・パトロール業務の最適化支援アプリ「Patrol Community」をリリースし、リアルタイムな犯罪予測に基づく効果的・効率的な警備・パトロール経路の自動策定・リスク可視化・警備状況のリアルタイム管理といったソリューションを自治体や警備会社向けに展開しています。


今回調達した資金でプロダクト・事業開発をさらに加速させるだけでなく、セキュリティテック業界を技術的にリードできる人材・R&Dへの投資も両輪で積極的に行なっていく方針となっています。

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