経営者には知識が必要
中小企業においてもっとも大切なのは「お金を残す」こと。
多くの中小企業経営者は、ほとんどといっていいほどお金のことで悩まされます。
内閣府が発表した8月の景気ウオッチャー調査によれば、製造業の景況感を示す指数が東日本大震災直後にあたる2011年5月以来の低い水準に落ち込んでいるようですし、アメリカと中国の貿易摩擦の影響によって、半導体などで受注がさえないとの声も出ているようで、まもなくやってくる10月の消費税の引き上げを前に、内外需ともに経済の不透明感が強まってきている中、中小企業はさらなる試練に見舞われそうです。
そこで大切なことは、経営者自身がしっかりとした知識を持つことです。
- 銀行の提案を鵜呑みにしていたりしませんか?
- 税理士の言うことを全て信用しきっていませんか?
まず銀行員についてなのですが、彼らはもちろんお金のプロですし、金融の知識も豊富なのですが、本質はお金の貸し借りであり、株式市場を読むとか、今後の経済の流れや動向を全て把握しているというわけではありません。
ざっくりとした経済動向や今後の景気についての知識は持っているでしょうが、彼らは経営者ではありません。
企業の経営など行ったわけではありませんから、経営の経験なんてないのです。
もちろん多くの経営者様たちと会っているので、情報として知識はあるのでしょうけど、あくまでの机上の空論、経営に関する指摘などされても、話半分にしておいたほうがいいでしょう。
税理士については、まるで自分たちの味方だと思ってしまいがちですが、ここにも問題があります。
会社にいる社員がすべてが優秀な人ばかりだということがないように、税理士も同じで、そもそも税理士試験は全ての税法に合格する必要がなく、法人税と所得税のどちらかを選択すればいいので、一概に税理士が税金に関わる全てにおいて詳しいというわけではないんです。
「利益を黒字にすればお金は増える」
この考え方、正しいように思えますよね?
利益が上がっているのだから、お金があるというのは確かに正しいことなのですが、世の中には「黒字倒産」ということがあります。
一般人であれば、黒字なのになぜ倒産するの?なんて思いますよね?
そもそも経営者のみなさんは「利益を出すこと」に注力しがちですけど、実は黒字が出れば出るほど「税金」が重くのしかかってきますから、キャッシュを残すことを考えるのであれば、響きのいい黒字決済よりもむしろ赤字決済で支払う税金を抑えた方がいいのです。
まぁ、この関係、理想(黒字決済)と現実(赤字決済)ですよね。
黒字決済でバンバン税金を支払える体質になれるのはいいことなのでしょうけど、現実は、会社経営を長く存続させていかなければなりませんから、手元にお金を残しておきたいもの。
キャッシュフロー経営
ここで登場するのがキャッシュフロー経営で、これはお金の流れを重視して会社を経営していこうというもので、つまるところ会社にお金を残し、使えるキャッシュを増やしていこうと言うことで、ここ近年になって日本でも浸透してきている経営手法なのです。
もう売上至上主義では時代遅れなのです。
大企業などではいかに節税するのか、それだけを考える専門部署もあるくらいですし、それだけ税金が重みとなっているのです。
ですので、黒字経営という「見栄」など捨てて、いかにキャッシュを手元に残すのかを考えた経営を実践し、末長く会社経営を存続させるための努力をすることが大切ですし、毎月月末にキャッシュのことで苦しまされる悩みからも解放されることでしょう。
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