Facebookの仮想通貨「Libra」

Facebookが発行を予定している暗号通貨Libraですが、どうやら今週初めに担当者が世界26カ国もの中央銀行の幹部とスイスで面会するのだそうですね。

この会談を主催するのは、ECB幹部のブノワ・クール氏のようで、同氏はLibraがEU域内で運用を許可されるためには「規制当局の承認基準は非常に高い」と警告しており、とても好意的とは言えないのだそうで、先日ヘルシンキで行われたEU財務省理事会の場でも、Libraなどのデジタル通貨技術が金融システムを不安定にし、政府と中央銀行の主権を弱体化させる可能性について「強い懸念」を表明したのだとか。

フランス、ドイツの政府は「リブラ」について共同声明を発表し、リスク対応が不十分だとして使用を認めない方針を示していますし、なかなか厳しい状況は続きそうですね。

そもそもフェイスブックの構想によれば、リブラは銀行口座がないなどの理由で金融サーヴィスを受けられない人のための、世界的な通貨になるというもので、送金や品物の購入に使えるデジタル通貨なのだそうですが、議論の的となっているのは、そのあり方なのでしょうかね。

ブロックチェーン上の取引については、単一の管理者や中央銀行ではなく、無数の独立したコンピューターによって実行・検証され、このような独立したコンピューターを「ノード」というのですが、この分散型構造が、セキュリティ向上のために採用されています。

つまりブロックチェーンは非常に自由主義的かつ反国家的、反銀行的なツールとも言えるわけですが、問題のリブラのブロックチェーンは、ビットコインのブロックチェーンのような分散型ではなく、中央集権型となっており、リブラのノードは、フェイスブック、Uber、ペイパルといったリブラ・アソシエーションのメンバーのサーヴァーからしか動かせないようになっています。

つまりここが問題となっているわけですね。

どういうことかというと、自由主義的かつ反国家的、反銀行的なブロックチェーンでこそ意義のある暗号通貨なのですが、リブラのように超大企業の一団によって管理されることは、その意思に反するものともなりますし、仮にリブラ・アソシエーションが、政府などから取引を停止せよと命令された場合に、その圧力に屈してしまう可能性もあるのではないかという心配も残っているのです。

まぁ、銀行からすれば、自分たちよりも強力となりかねない組織は目障りでしょうし、Facebook利用者の名前や電話番号を含む4億件以上の個人情報を含むデータベースが、オンライン上で公開され流出していたことが判明したことを考えると、信用に置けない部分はありますよね。

リブラが成功すれば、ますますFacebookの力は強まっていくでしょうし、なかなか難しい問題ですね。

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