UFJが一律の賃上げ廃止へ

三菱UFJ銀行の労使が今年の春季労使交渉で、行員ごとの人事評価に基づいて賃上げ率を決める方式で合意する見通しのようですね。

これにより、これまでのような一律の賃上げをやめることになるわけですが、これからの時代、このような査定方式にしなければ労働生産性はアップしていきませんよね。

またトヨタ自動車の労組も個人の評価に基づく賃上げを要求するのだそうで、金融と自動車のトップ企業による成果重視の賃上げは産業界全体に影響を与えていくでしょうね。

そもそもこれまでの日本の労使は、賃金水準を一律で底上げするベースアップ(ベア)を軸に議論されてきており、その中でも銀行は昇進にも年功序列的な慣行が強く、能力や実力に関係なく賃金は年齢に応じて上がる要素が大きく、まさに日本の終身雇用の礎ともなるべき働き方でした。

しかし、時代は変わり、金融とITの融合が加速している現代においては、これまでのようなアナログな働き方では時代に取り残されていきますし、いかに優秀な人材を採用し、その実力に報いることのできるような賃金制度を構築していくことは課題であり、労働生産性の悪い日本の働き方を変えていくためにも最重要な改革でもあります。

さきの三菱UFJ銀行では賃上げにも人事評価を反映させる仕組みを目指すということで、三菱UFJ銀行の従業員組合は今年の交渉から年数%などのベア要求をやめ、給与と賞与を合わせた「支払総額」の要求に切り替えるのだそうで、増えた総額を個人の評価によって差をつけて配分するのだとか。

とはいえ、UFE銀行はすでに、若手でも有能なら高い給与をもらえる制度に移行しているのだそうで、同期入行で同じ内容の仕事をしている2人がいる場合、従来のベアであれば2人の賃上げ率は同じになるわけですが、今後は前年の仕事に対する人事評価をもとに給与を配分し、賃上げ率に差をつけるのだそうです。

この評価には上司や同僚の意見をもとに決めるということのようですが、これはこれでいい面も悪い面も出てくることになりますよね。

仕事の能力は関係なく、上司のイエスマンであったり、扱いやすい人物の査定が甘くなってしまったり、人事の力が強くなってしまうという恐れもあります。

ですので、どのように査定評価するのかを明確にしなければなりませんし、単純に売上ベースで評価してしまうと、不正によって売上を上げようとする人も出てくるでしょうから、仕組み作りがとても大切になってきますね。

とはいえ、年功序列という働き方は既に通用しなくなってきている時代ですし、業界大手から変わっていくのはいい兆候かもしれませんね。

是非フォローしてください

最新の情報をお伝えします