QunaSysが2.8億円の資金調達
量子コンピュータを活用したソフトウェアを開発しているベンチャー企業であるQunaSysが、グローバル・ブレイン、新生企業投資、ANRIの計3社を引受先とする第三者割当増資により、総額 2.8億円の資金調達を実施しました。
これは、2018年4月にANRIから数千万円を調達して以来の資金調達となり、今後はエンジニアを中心に人材採用を強化しながらアルゴリズム・ツールの開発を加速させるほか、量子情報・量子化学の研究者コミュニティの活性化など、量子コンピュータ技術の社会実装に向けたエコシステム作りも行っていく計画なのだとか。
QunaSysは、東京大学で機械学習分野の研究をしていたCEOの楊天任氏や大阪大学で量子アルゴリズムの研究に携わっていた御手洗光祐氏らを中心として、2018年2月に設立されたスタートアップ会社で、量子コンピュータの性能を最大限に引き出し、デバイスを産業や社会へ応用することを目指しています。
量子コンピュータについて
量子コンピュータは、現在のコンピュータとは全く異なる原理で動き、スーパーコンピュータを用いても現実的な時間で解けない複雑ないくつかの問題を高速に解くことが可能であると証明されています。
量子コンピュータというのは、量子力学的な重ね合わせを用いて並列性を実現するとされるコンピュータで、産業界へ莫大なインパクトを及ぼすのは2030年以降とされているのですが、2019年10月23日に、GoogleがNature誌において「量子超越」を発表したことに象徴されるように、近年、世界各国で熾烈な開発競争が繰り広げられ、実用化が急速に現実味を帯びています。
量子力学というの、ちょっと避けたくなるものですけど、量子コンピュータというのは、これまでのコンピュータとは異なる新しい計算機で次世代の高速計算機として研究・開発が進められています。
この数年で実現されると考えられている量子コンピュータは「NISQデバイス」と呼ばれ、誤り訂正機能がないこと・サイズが中程度(数百量子ビット程度)であることが特徴で、NISQデバイスは、現在の古典コンピュータよりも高速であること(量子加速)が厳密には証明されていないものの、特に量子化学計算の分野での応用が期待されており、2022年頃にNISQの最初の活用事例が生まれるだろうと予想されています。
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