三菱UFJ、政策保有株5000億円削減

三菱UFJフィナンシャル・グループが、政策保有株の削減幅を引き上げる方針を明らかにし、従来は2021年度からの3年間で「3000億円以上」(簿価ベース)としていたのですが、売却をめぐる企業との交渉が順調に進んでいることから5000億円に積み増したのだそうです。

三菱UFJ銀行と三菱UFJ信託銀行を合わせた保有額は、15年3月末時点で約2兆8000億円だったのですが、21年3月末には1兆8500億円まで減っており、新たに21年度からの3年間で3000億円以上減らす目標を昨年打ち出したのですが、すでに初年度で1690億円を売却したのだそうです。

スマホアプリなどを通じ開設された口座数は、21年度に前の年度から53%多い約27万件となり、店頭を経由する開設数を初めて上回り、21年3月末時点で、拠点数が425カ所だった三菱UFJ銀行では、24年3月末までに約320カ所へ減らす計画で、19日の説明会では統廃合を前倒しで進め、23年3月末には約330拠点へ減らす意向も明らかにしています。

政策保有株式とは?

日本の株式では「投資」ではなく「保有」を目的とする政策保有株式があり、関係性のある企業同士がお互いに株式を保有し合うことで、取引先との関係維持や買収防衛などの経営戦略上の手段があります。

「株式持ち合い」とも言われ、日本企業特有の仕組みで、 その歴史は、旧財閥系企業が結束を強め、外資企業によって買収されるのを防ぐために利用が始まったと言われています。

そのメリットは、「取引先との関係の維持・強化」で、複数の企業間での株式保有によって結束の強化や事業拡大の可能性が広がり、さらに信頼できる企業に株式を長期保有してもらうことで「安定株主」を形成できます。

とはいえ、良いことばかりではなく、バブル崩壊後から次第に政策保有株式のデメリットが問題視されるようになり、相互保有のうち一方の企業の株価が下落すると、株式を保有する企業の経営にも悪影響を与えかねないかということが挙げられます。

また、事業投資に使われるはずの資本が、成長性の低い企業の株式に投資されることにも繋がり、株式を保有する企業の資本効率は悪化することにもなり、さらには片方の企業のみが株式を保有している場合、企業間での上下関係が生まれてしまいます。

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