日本国債、格付け見通し「弱含み」に

大手格付け会社フィッチ・レーティングスが、日本国債の格付け見通しを「安定的」から「弱含み」に引き下げたようです。

新型コロナウイルスの感染拡大により国内経済が縮小したほか、経済対策に伴い政府の債務が増加すると見込まれるための措置のようで、格付けそのものは21段階中、上から6番目にあたる「A」に据え置いています。

日本国債については、格付け大手S&Pグローバル・レーティングも6月に見通しを「ポジティブ」から「安定的」に引き下げています。

債券の格付け

債券のリスクの一つとして「信用リスク」があります。

これは債券を発行していた国が破綻したり、企業が倒産した場合など、約束されていた利息や満期に受け取れるはずのお金が受け取れなくなるというリスクのことで、債券を購入する場合、発行者の経営状態などをしっかりとチェックしておくことが必要となるのですが、それを判断するための一つの指標として「格付け」があります。

格付け会社としては、アメリカのムーディーズやスタンド&プアーズ(S&P)、日本では金融庁に登録を受けた格付会社のことを信用格付業者と呼び、2020年7月30日現在、以下の5法人7社があります。

  • 金融庁長官(格付)第1号 株式会社日本格付研究所
  • 金融庁長官(格付)第2号 ムーディーズ・ジャパン株式会社
  • 金融庁長官(格付)第3号 ムーディーズSFジャパン株式会社
  • 金融庁長官(格付)第5号 S&Pグローバル・レーティング・ジャパン株式会社
  • 金融庁長官(格付)第6号 株式会社格付投資情報センター
  • 金融庁長官(格付)第7号 フィッチ・レーティングス・ジャパン株式会社
  • 金融庁長官(格付)第8号 S&PグローバルSFジャパン株式会社

ちなみに格付けはあくまで「信用リスク」に対する評価であり、その実態、つまり「経営が面白い」「将来が楽しみ」「国民が幸せ」などのようなことは一切関係なく、重要視しているのは「確実にお金を返せるかどうか」だけ。

評価を大まかな定義別にすると、Aクラスは債務履行の確実性が高い、Bクラスは注意が必要、Cクラスになると債務不履行になる可能性があるということになり、格付がBB以下の債券のことを「ジャンク債」「ハイイールド債」などと呼ばれ、相対的にリスクの高い債券と位置付けられています。

とはいえ、格付けも絶対的なものというわけではなく、2007年以降に世界的金融危機の発端となったサブプライムローンを組み入れた証券化商品に対して、高い格付をつけていたことから、その正確性に疑義が生じ、各国で格付会社規制が行われるきっかけとなりました。

なお、格付けの定義は各社バラバラとなっているので、格付け値だけで判断せず、その会社の定義も参考にするべき。

是非フォローしてください

最新の情報をお伝えします